風の通り道
設計士・現場監督ブログ 2021.09.17
こんにちは。設計の志岐です。
日に日に朝や夜が涼しくなってきて、お布団が恋しくなってきました。
ここ数日間は時間を見つけて現場に向かって勉強!といった日々を過ごしておりました。
その中で学んできた事の一つをご紹介します!
この写真はアーキハウスで建てられたお客様のお家の基礎になります。
さて、何かがありません。
実は近年のお家には基礎の外周部に換気口という穴がありません!
じゃあ換気はどうしてるの?と疑問に思われるかもしれません。
この写真は基礎工事から少し進んだお家の写真になります。
木材の下に何やら黒いものがあります。
実はこれが通気口なんです…!!
近づいて見ると暗くて見えにくいですがしっかり穴が開いてます!
この部品は「基礎パッキン」や「ねこ土台」と言われています。
ではどうして近年のお家には通気口ではなく基礎パッキンが多く使われているのでしょうか??
基礎パッキンにはいくつかの機能的なメリットがあります。そのうちの3つを今回ご紹介します!
1つ目は「木材の乾燥を保ちやすい事」です!
基礎パッキンのおかげで木材と基礎が離れているので基礎についた水気から木材を守ってくれます。木材が濡れてもどの箇所も換気しているので乾燥も早くなります!
また、外周部以外にも基礎パッキンは設置されるので基礎に邪魔されず、換気が行えます。
2つ目のメリットは「小動物の侵入」が防げます!
換気口は劣化で穴が大きくなってしまうことがあります。するとネズミやイタチ、野良猫などが侵入し、住処にしてしまうことがあります。すると木材を齧られたり、動物のフンや死骸などが基礎内に残り、悪臭などの問題も起きてしまう事があります。
そういったリスクを基礎パッキンでは防ぐことが出来ます。
3つ目のメリットは「基礎が構造的に強く長持ちしやすい」事です!
換気口の付いている基礎はその部分だけコンクリートが窪んでいます。そしてコンクリートはそういった窪んでいる部分にヒビが入りやすい性質があるんです。そういった箇所のヒビは大きいものが多く、そこを起点に腐食が進んでしまう事も少なくありません。
この基礎パッキンはお家が完成すると見えなくなってしまいますが、陰ではしっかりとお仕事をしています!
これぞ正しく縁の下の力持ちですね。
基礎パッキンのようにお家を長持ちさせるために陰ながら活躍している部品はまだまだたくさんあります!!また現場に足を運んで面白い物を見つけた時はご紹介します!
設計 志岐