こんにちは。

八代店設計士の丸山です。

 

縁あってアネシスグループの別ブランド、「アネシス熊本」のモデルハウスの設計を担当することになりました。

 

たまに声が掛かって担当させてもらうことがあるので、今までも8棟ほど設計をさせてもらいました。
どなたでも購入を検討できるようにモデルハウスは万人受けをする計画にすることが多いですが、
私は日頃より話しているように万人受けが嫌いでして、このモデルハウスを購入する人はきっとこんな感じの生活をするだろうな。
とか、こんな生活をしてほしいな。と割と決め打ちで設計をします。

誰かの住まいになるものなので、100人に70点の家よりも1人に100点の家を作りたいからです。

毎回自分の中にテーマを決めてまして、今回計画をした宇土のモデルハウスは「分譲地なのに分譲地じゃない」がテーマになっています。
計画地は以下のように、周囲が建物に囲まれている土地になります。



分譲地によってはこのように入り組んだ計画になることがありますが、今回はこの土地だからこそあえて、他のどの家よりも分譲地であることを感じない家を建てたいと思いました。
分譲地のメリットは沢山あります。
綺麗に区画整理がされていますので、道路が広かったりライフラインが整っていたり、ご近所さんは同年代のご家族が多かったり、他にもいろいろあります。

ただ、デメリットもありまして。人それぞれの感じ方ではありますが家と家とが近かい為、プライバシーの確保が難しいです。
大きな窓を付けたけど、人目が気になって四六時中カーテンを閉めていては窓の意味が無ければ、その先に見えるはずのお庭に懸けた費用、そしてそのお庭分の土地代がもったいないです。

何気なく日々を過ごすマイホームですが、歩いている廊下、車を停めているスペース、もっと細かいことを言えばゴミ箱を何となく置いているその床の一部でさえお金がかかっている訳です。であれば、できるだけ無駄なく使えるようにしたい。

なので、今回はカーテンを閉め切るようなお家には絶対にしたくないわけです。
だけど、家に囲まれている分譲地であることも感じさせたくない。
ならば、可能な限り窓から隣家が見えなくすれば解決するかもしれない。
で、出来上がったものがこちらになります。

 

リビングからはどうしても建物が見えます。ここは植栽をモリモリにして背面の家を感じさせない計画にしてます。写真は植栽が植えられるまえになります。

ダイニングテーブルに座ったときは大きな窓を下から見上げることで空を見せるようにしています。

和室は庭の植栽を見れるように、寝っ転がれば空を見えるようになっています。



階段を上がるときも空が感じられるようになっています。



二階の子供部屋は一つは隣地迄の距離があり、もう一つは二面が建物になっていますので斜めに窓を設けることで一番建物との距離が取れるようになっています。



寝室はベッドで横になると正面に空が見えるようになります。また、隣地建物の二階部分が無いところに窓を付けているので立ってみると建物の間から奥の景色が見えます。



階段を上がった正面の書斎もハイサイド窓にして空だけが見えるようになっています。





今回の計画地以外の周りの環境が既に出来上がっていた為、現地で建物のサイズや形を調べて建物と建物の間を縫うような計画にすることができました。

ダイニングチェアから見る景色、ソファから見る景色、畳で横になってみる景色、ベッドで寝ながら見える景色、全てを隠すことはできませんが、人がくつろぐ場所から見た景色は心地よいものでありたいですよね。

完成したら、アネシス熊本のHPから全体の写真はご覧いただけると思いますので、是非お時間のある時にでも。